不動産の相続登記が義務化!基本ルールや新制度ついて解説

将来、親の持ち家や土地などの不動産を相続する予定があるものの、面倒な手続きや新しいルールについてよく分からずにお困りではありませんか。
複雑な手続きをつい後回しにしたくなるお気持ちはわかりますが、法律の改正によって手続きを放置すると過料などのペナルティを受けるリスクが生じています。
本記事では、不動産の相続登記が義務化された背景や期限などの基本ルールから、不要な土地を国に引き取ってもらう新制度について解説します。
大切な資産で不利益を被らないためにも、これから不動産を相続する予定のある方は、ぜひご参考になさってくださいね。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
相続登記義務化の背景

不動産の相続登記義務化を理解するためにおさえるべき要点には、主に所有者不明土地問題があります。
まずは、相続登記が義務化された背景について解説していきます。
所有者不明土地の増加
所有者不明土地とは、登記簿を見ても所有者がすぐに分からない、または所在が不明で連絡できない土地を指します。
公的な調査では、調査対象の土地の20.1%で登記簿上の所有者の所在を確認できず、全国の所有者不明土地は約410万haと推計され、九州本島を上回る規模です。
さらに、対策を進めなければ2040年には約720万haまで広がるとの予測もあり、社会全体で早急な対応が求められています。
所有者と連絡が取れないと、道路整備や災害復旧のための用地取得、隣地との境界確認などが進みにくくなるでしょう。
くわえて、雑草の繁茂や不法投棄への対応負担も増えるため、地域の安全や日々の暮らしにも影響する重要な問題といえます。
大規模な共有と行政の負担
所有者不明土地が増えた大きな要因の1つは、これまで相続登記が任意であり、手続きが長く放置されるケースがあったことです。
相続が実際に数代続くと法定相続人が増え、1つの土地を数十人から100人以上で共有する複雑な状態になる場合もあります。
すると、土地の売却や大きな変更では原則として共有者全員の同意が必要となり、意思確認にもかなり長い時間がかかるでしょう。
さらに、自治体も戸籍を集めて納税義務者を調べたり、固定資産税の通知先を確認したりする負担が生じます。
相続人の特定だけで多くの時間を要することもあるため、土地の管理や活用を円滑にする仕組みが強く求められています。
義務化に至った解決策
従来の相続登記は、ご自身の権利を第三者へ主張するための手続きという位置づけで、国への申請義務はありませんでした。
しかし、人口減少や過疎化などを背景に、税金や管理の負担を避けるため、名義変更が長期間先送りされるケースが増えたのです。
そこで政府は2018年に基本方針を示し、所有者不明土地の解消に向けて民法や不動産登記法の見直しを進めました。
その結果、すでにある所有者不明土地への出口対策と、新たな発生を防ぐ入口対策を組み合わせる方針が固まっています。
その中心となる相続登記の義務化は2021年4月に法律が成立し、所有者を把握しやすくする重要な基盤として整備されました。
▼この記事も読まれています
不動産売却の媒介契約について!メリットや注意点も解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
相続登記義務化の内容

前章では義務化された背景について述べましたが、実際の規則や罰則なども気になりますよね。
ここでは、相続登記義務化の具体的な内容について解説します。
対象範囲と3年の期限
相続登記の申請義務は2024年4月1日から始まり、相続によって取得した土地や建物など、すべての不動産が対象です。
原則として、被相続人が亡くなったことと、ご自身がその不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請します。
また、遺産分割協議によって取得者が決まった場合も、協議が成立した日から3年以内に登記をおこなう必要があるでしょう。
さらに、このルールは施行前の相続にも適用され、未登記の不動産については期限の確認がとくに欠かせません。
施行前の相続は2027年3月31日、または取得を知った日から3年後の遅い方が期限となるため、早めに状況を整理しておきましょう。
相続人申告登記の手続き
遺産分割協議がすぐにまとまらない場合には、期限内の対応を簡素化できる相続人申告登記を利用できます。
これは、登記名義人が亡くなって相続が始まったことと、ご自身が相続人の1人であることを登記官へ申し出る比較的簡易的な手続きです。
申出が受理されると、その本人はひとまず申請義務を果たしたとみなされるため、焦らず落ち着いて話し合いを続けられるでしょう。
また、法定相続分の確定や他の相続人の同意は不要で、必要書類をきちんと準備すればご自身だけでも手続きを進められる点が特徴です。
ただし、遺産分割が成立した後は、不動産を取得した方が改めて3年以内に正式な相続登記をおこなう必要があります。
変更義務と過料の罰則
相続登記にくわえて、住所や氏名の変更登記も2026年4月1日から義務化され、変更した日から2年以内の申請が必要です。
制度開始前に住所や氏名が変わっている場合は、原則として2028年3月31日までに現在の情報へ登記を直します。
正当な理由なく期限内の手続きを怠ると、相続登記では10万円以下、変更登記では5万円以下の過料が科される可能性があるでしょう。
ただし、期限を過ぎただけで直ちに支払いを求められるわけではなく、基本的には登記官から催告を受けて申請を促されます。
それでも対応しない場合は事情を踏まえて過料が判断されるため、通知を受けたら放置せず手続きを進めることが大切です。
▼この記事も読まれています
不動産売却の即時買取について!向いている方も解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
相続した土地を国庫に帰属させる新制度

ここまで相続登記の義務化について解説しましたが、不要な土地の手放し方もおさえておきましょう。
最後に、不動産を相続したくない場合に使える制度について解説していきます。
相続土地国庫帰属制度の概要
相続土地国庫帰属制度は、相続や相続人に対する遺贈で取得した土地を、一定の条件を満たした場合に国へ引き渡せる仕組みです。
所有者不明土地の増加を防ぐ目的で2023年4月27日に始まり、遠方にある土地などを手放したい方の新たな選択肢となりました。
利用できるのは原則として相続や相続人に対する遺贈で土地を取得した方で、制度開始前に相続した土地についても対象となります。
一方、売買や生前贈与のみで取得した土地は原則として対象外となるため、取得原因や現在の名義の確認が必要でしょう。
また、共有地は共有者全員で申請し、承認後に負担金を納めることで所有権が国へ移り、その後の管理も国がおこないます。
申請条件と負担金の目安
国庫帰属の対象となるのは、将来の管理に過度な費用や手間がかからず、大きな問題が生じにくいと判断された土地です。
そのため、建物がある土地や、担保権・賃借権などが設定された土地は、申請や承認の対象外となります。
さらに、第三者が利用する通路、土壌汚染がある土地、境界をめぐる争いがある土地なども原則として認められないでしょう。
審査では急な崖地や放置物、地下の廃棄物などもより詳しく確認され、必要に応じて法務局による現地調査がおこなわれます。
また、申請時は土地1区画ごとに1万4000円の審査手数料が必要で、承認後は原則として1区画20万円の負担金を納める仕組みです。
手放す際の注意点とは
国庫帰属が承認されても、負担金を納めて所有権が国へ移るまでは、現在の所有者が土地を適切に管理する必要があります。
建物の解体や境界確認などが必要な場合は申請者の負担となるため、あらかじめ必要な作業と費用を整理しておくと安心でしょう。
また、負担金は通知が届いた翌日から30日以内に納付する必要があり、期限を過ぎると承認の効力が失われます。
そのため、国庫帰属だけでなく、隣地所有者への譲渡や自治体への寄付、不動産会社を通じた売却などと比較することも大切です。
土地の状況や費用を確認し、法務局や信頼できる不動産会社へ相談しながら、ご自身に合う方法を検討してみましょう。
▼この記事も読まれています
不動産売却の買取保証について!メリットや条件も解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
まとめ
所有者不明の土地が増加し、行政や社会への負担が大きくなっている問題を解決するため、国は不動産の適切な管理を目的として相続登記を義務化しました。
2024年4月1日から開始されたこの制度は、過去の相続分も含めて3年以内の申請が必要であり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科されます。
2023年に始まった相続土地国庫帰属制度を利用すれば不要な土地を手放せますが、厳しい審査や20万円以上の費用負担があるため、事前に専門家へ相談すると良いでしょう。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む

株式会社九⼤学研不動産
福岡市西区や糸島エリアを中心に、不動産売買のご相談を承っております。
土地・戸建て・マンションなど幅広い物件を取り扱い、購入から売却まで地域に根ざしたサポートをおこなっています。
住み替えや相続、リフォームを含めたご相談にも対応し、地元情報に基づいた提案を心がけておりますので、お気軽にお問い合わせください。
■強み
地域密着のネットワークを活かした売買サポート
■事業
・売買仲介
・不動産売却相談
・物件紹介
・リフォーム相談
