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親が亡くなったときやることは何か?やらないといけない手続きなどをまとめて解説

不動産お役立ち情報

柿本 剛司

筆者 柿本 剛司

親が亡くなったとき、何をどう進めて良いのかわからず不安に感じる方も多いのではないでしょうか。特に相続する財産に不動産が含まれる場合、相続登記や遺産分割、税金の手続きなど、期限に追われる作業も少なくありません。本記事では、不動産の相続や売却を検討されている方が知っておきたい手続きや注意点を順を追って解説いたします。最後までお読みいただき、ご自身の状況に役立てていただければ幸いです。

相続開始後すぐに対応すべき手続きと期限

親が亡くなった直後は、悲しみの中でも冷静に、必要な手続きを進めることが肝要です。まずは「死亡届」を死亡後7日以内に役所へ提出しましょう。これがないと戸籍に死亡の記録が残らず、相続に必要な様々な書類が取得できなくなります。併せて「火葬許可申請書」も提出し、火葬許可証の取得を確実にしておくことが大切です。これらは葬儀の準備がスムーズに進む礎になります(死亡届7日以内・火葬許可申請)です。 ◆その後は、年金や健康保険の手続きが続きます。年金受給を止めるための手続きは、国民年金は死亡後14日以内、厚生年金は10日以内が目安です。不要な受給を避けるためにも、速やかに市区町村役場や年金事務所に報告を行ってください。また健康保険の資格喪失手続きも行い、埋葬料などの給付を受ける準備をしましょう。

さらに忘れがちなのが「準確定申告」です。これは故人の所得税の申告で、死亡後4か月以内に行う必要があります。給与収入や年金などがあった場合は、税務署への提出をお忘れなく。期限を過ぎると延滞税などのペナルティが生じる可能性があります。

それ以外にも、「生命保険金(死亡保険金)」の請求は死亡後3年以内に行わないと時効で取り消されてしまいます。加入状況や受取人を確認し、必要書類を整えて速やかに手続きを進めましょう。また、「遺族年金」や「未支給年金」の申請にも期限があります。こちらは、死亡後5年以内に請求を済ませる必要があります。どれも重要な請求ですので、見落としのないよう早めの確認が安心のポイントです。

以下の表は、直後に対応すべき手続きをまとめたものです。何をいつすべきかをひと目で把握できます。

手続き期限概要
死亡届・火葬許可申請7日以内役所へ提出、戸籍・火葬準備
年金受給停止・健康保険資格喪失10〜14日以内年金停止、埋葬料などの請求
準確定申告4か月以内故人の所得税申告

このように、最初の数か月は多くの手続きが集中します。一つひとつ確実に進めていけば、あとで慌てることも少なくなります。必要であれば、専門家へご相談いただくのも安心につながります。

遺産分割と相続税申告・納税の流れ

遺産分割協議は、相続人全員の合意によって成立する大切な手続きですが、法的な期限は定められていません。しかし、相続税の申告と納税には「相続を知った日の翌日から10か月以内」という厳格な期限があります。そのため、遺産分割協議がその期限に間に合わない場合でも、まずは法定相続分で仮の計算を行い、申告・納税を行う「未分割申告」が認められています。この際には「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付することが要件とされています。これにより、後日正式な分割協議が整った際に、配偶者控除や小規模宅地の特例などの税制上の有利な措置を適用できるようになります。

その後、遺産分割が完了した場合には、協議がまとまった日から4か月以内に「修正申告」または「更正の請求」を行う必要があります。納税額が過大だった場合には還付を受ける「更正の請求」、不足していた場合は納税する「修正申告」です。この対応を怠ると、せっかく適用されるはずの税制上のメリットを失う恐れがありますので、ご注意ください。

加えて、万が一3年以内に遺産分割が成立しない場合には、「やむを得ない事情」があるとして税務署長の承認を得ることで、特例の適用期限を延長できるケースがあります。その期間は、申告期限後3年を経過した翌日から2か月以内の申請が要件となります。このように、粘り強く話し合いを進めつつ、必要な手続きを的確に行っていくことが重要です。

手続き 内容 期限
相続税申告(未分割申告) 法定相続分で仮に申告。一部適用せず 相続開始から10か月以内
修正申告・更正の請求 協議完了後に適正な税額で再申告・還付 協議完了翌日から4か月以内
承認申請(事情がある場合) やむを得ない事情があると認められた場合法延長 申告期限後3年超の翌日から2か月以内

遺産分割や相続税の申告は、時間がかかるからと後回しにすると、税制の優遇や還付の機会を逃しかねません。ですので、まずは期限内の申告、そして遺産分割後の手続きを確実に進めることが、あなたの安心につながります。ですます調で、リズムよくお伝えしました。ご不明な点はいつでもお気軽にご相談ください。

不動産相続登記(名義変更)のポイントと期限

不動産の相続登記は、2024年4月1日より法的に義務となりました。相続または遺産分割が成立したことを知った日から、原則として3年以内に手続きを行う必要があります。たとえば、法改正前に発生した相続については、登記義務の適用は遡及され、2027年3月31日までに手続きを済ませる必要があります。これを怠ると、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。ただし、法務局からの催告後に対応すれば罰則を免れる場合があります 。

申請には、被相続人と相続人の戸籍謄本や住民票、遺産分割協議書、印鑑証明といった書類が必要です。また申請先は、対象物件を管轄する法務局です。オンライン申請も可能ですが、制度への対応状況や事前の確認が求められます 。

以下に、ポイントをまとめた表をご覧ください。

項目概要ポイント
義務化の背景と開始時期 相続登記の義務化(2024年4月1日開始) 所有者不明土地問題解消が目的
期限と罰則 3年以内に登記。過料は10万円以下 法務局からの催告後、対応すれば過料回避可
申請手続きの流れ 必要書類取得→申請書作成→法務局(またはオンライン)提出 不備があると補正依頼あり。司法書士の活用も有効

手続きは書類収集や申請書類の作成に時間がかかり、法務局への訪問も必要になることがあります。司法書士に依頼すれば、こうした労力を大幅に軽減でき、法務局への書類提出や煩雑な手続きを代行してもらえます。また、知らずに慌てている相続人が見落としがちな私道の共有持分なども調査してもらえる点もメリットです 。

まとめると、不動産の相続登記は怠るとリスクが高く、期限内の対応が不可欠です。必要書類の収集や申請の煩雑さに不安がある場合は、信頼できる専門家のサポートも視野に入れて、着実に進めましょう。

売却検討中の不動産に関する留意点と準備

相続登記が完了した後、不動産の売却をスムーズに進めるためには、しっかりとした準備と知識が欠かせません。以下では大きく三つの観点から、ご案内いたします。

まず、相続登記が終わっていないと売却そのものが難しくなる点です。法務局に名義変更をしていない場合、売却の契約は法的に成立しません。このため、相続登記は売却の前提として必ず完了させる必要があります。登記手続きには書類の準備や司法書士への依頼など時間と費用がかかりますので、早めの対応をおすすめします。

次に、税務上の特例についてです。相続した不動産を譲渡する際には、「相続税の取得費加算の特例」が利用できる場合があります。これは相続税を取得費に加算できる制度で、売却することで譲渡所得税を軽減できます。さらに「空き家に係る譲渡所得の3000万円特別控除」の適用要件を満たす場合は、最大3000万円の控除を受けられる可能性があります。これらの特例の適用には、売却までの期間が3年以内などの条件があるため、スケジュールを立てて準備することが大切です。

そして最後に、売却スケジュールと手続きの先行準備のすすめです。査定依頼や税務相談は売却の着手段階で行いたいものです。査定結果をもとに売却価格の目安を知り、税理士や司法書士への相談によって税負担や手続きの見通しを立てます。これにより、安心して売却に臨めるだけでなく、お問い合わせや相談へとつなげやすくなります。

以下に、これら三つの観点を表にまとめました。

準備項目 内容 目的
相続登記の完了 名義変更が未了だと売却ができません 法的な売却手続きの前提確保
税務特例の検討 取得費加算・3000万円控除などを確認 譲渡所得税の軽減
査定・税務相談の先行 売却価格の目安を把握し専門家に相談 スムーズな売却と安心の計画立案

このように、相続登記の手続き、税務面での特例活用、売却準備の先行が揃えば、相続不動産の売却はよりスムーズに進みます。当社では、これらのステップに関するご相談や査定にも丁寧に対応しておりますので、お気軽にお声がけください。

まとめ

親が亡くなられた際には、限られた期限の中で多くの手続きが必要となります。早めに死亡届や葬祭費の請求、必要書類の準備を進めることで、後の手続きが円滑に進みます。遺産分割や相続税申告、不動産の名義変更、それぞれの期限や重要なポイントを押さえ、慌てずに取り組むことが大切です。不動産の売却を検討されている方は、事前の準備や専門家への相談も検討し、安心して手続きを進めましょう。

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