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不動産の査定額は市場価格より高く設定できる?売却時のポイントやリスクも解説

不動産お役立ち情報

柿本 剛司

筆者 柿本 剛司

不動産の売却を考える際、「できるだけ高く売りたい」と望む方は多いものです。しかし、売り出し価格や査定価格が市場価格より高く設定できることをご存じでしょうか。高い価格設定には魅力もありますが、同時に注意すべき点も存在します。この記事では、査定額と市場価格の違いや、高く売るためのポイント、価格設定以外で工夫できる方法について分かりやすく解説します。納得のいく売却を実現するための参考にしてください。

査定価格と市場価格の基本的な違いと関係性

まず、「査定価格」は、不動産会社が過去の成約事例や公示地価などを基に、この物件が概ね3か月以内に売れるであろうと想定される価格です。あくまでも参考値であり、確定した金額ではありません。これに対して、「売り出し価格」は売主さまが自由に決められる価格であり、市場価格より高く設定することも可能です。

売主さまは最終的に「この価格で売りたい」と考える価格を設定する権利があります。査定価格を参考にしながらも、ご自身の資金計画や売却のご希望に応じて、より高く売り出すことは可能です。とはいえ、査定価格との大きな乖離があると、成約に至る可能性に影響が出る可能性があります。

具体的には、査定価格が3000万円であっても、売り出し価格を3150万円程度に設定し、値引き交渉に備えるケースもあります。ただし、高すぎる設定は購入希望者の目に止まりにくくなり、売却活動が長期化してしまうリスクがあります。

以下の表に、各価格の違いと関係性をまとめました。

価格の種類 決定者 特徴
査定価格 不動産会社 過去の実例や相場から算出された予測価格(参考値)
売り出し価格 売主さま 売主さまが希望と戦略に応じて設定できる価格
成約価格 売主さまと買主さま 交渉によって決まる実際の取引価格

このように、査定価格と市場価格(売り出し価格)は性質が異なるものであり、双方の関係を理解した上で、高すぎる価格設定が売却期間の延長や反応の低下を招くリスクについても注意する必要があります。

市場価格より高く設定するメリットとデメリット

まず、売り出し価格を市場価格より高めに設定する「チャレンジ価格」という選択には、いくつかのメリットがあります。第一に、高めの価格を提示することで、交渉の余地(いわゆる値下げバッファー)が生まれます。例えば、成約に至った際、多少の値下げに応じても当初希望額を下回らずに済む効果があります。査定価格より高めに設定する戦略は、日本の不動産取引ではよく用いられる方法です。また、市場が上昇傾向にあったり、対象物件に特別な魅力(眺望や希少な間取りなど)がある場合には、査定額を上回るまま成約する可能性もある点がメリットとして挙げられます。

一方で、高すぎる価格設定にはリスクも伴います。最も大きなデメリットは、内覧希望者や問い合わせの減少、さらには「長期間売れ残っている物件」という印象を与えてしまう可能性です。そうなると、物件自体の魅力とは無関係に敬遠され、結果的には相場以上の値下げを迫られるケースもあります。また、インターネット上での物件検索では、“価格上限”などの条件で絞り込む購入希望者が多いため、ほんの少し高い価格設定でも検索の対象から外れてしまい、買い手の目に触れづらくなるリスクもあります。

さらに、価格の高さによって売却期間が延びると、固定資産税や管理費などの維持コストがかさむ可能性もあります。市場が下落トレンドに転じた場合、売却期間が長引くほどその価格調整が厳しくなることも想定されます。

以下に、メリットとデメリットをわかりやすく整理した表をご紹介します。

メリット デメリット
交渉の余地(値下げバッファー)を持てる 内覧者・反響が減りやすい
市場上昇や物件の魅力によっては高値成約の可能性 「売れ残り物件」として敬遠されるリスク
戦略次第では利益最大化につながる 売却期間延長による維持費負担や価格調整圧が生じる

このように、あえて市場価格より高く設定することには確かに魅力がありますが、その一方で売却活動における反響や期間の面での影響も無視できません。売主様の事情や市場動向をよく踏まえた上で、適切なバランスを取ることが重要です。

高く売り出す際に注意すべきポイントと調整方法

以下は、市場価格より高く設定して売り出す際に注意したいポイントと、その調整方法について、信頼性の高い情報に基づいて整理した内容です。

まず、売り出し価格は売主様が最終的に決定される価格ですが、査定価格や市場相場を参考にしつつ、「希望価格(上限)」と「許容価格(下限)」の幅を想定して売り出すことが重要です。希望価格は「できればこの価格で売りたい」と思う上限値、許容価格は「これ以下では売却は難しい」と判断できる下限値です。こうした価格幅をあらかじめ想定しておくことで、販売後の対応がスムーズになります。

次に、売り出し後は、ポータルサイトなどを通じた市場の反応をしっかり観察しながら、柔軟に価格を見直すことが必要です。たとえば、内見の申し込みや問い合わせが少ない場合は、価格が高すぎる可能性があります。販売開始から一定期間(たとえば3か月程度)反応が乏しいようであれば、段階的に価格を調整する判断も効果的です。

さらに、戦略として「値下げ交渉を前提にした価格設定」を行う方法があります。あえて高めに価格を設定し、買主からの指値に対応することで、交渉の余地を作るという考え方です。たとえば、販売価格を少し高めに設定しておけば、交渉成立後でも査定価格以上の金額で成約する可能性があります。

ポイント内容目的
売却希望価格と売却可能価格の設定上限と下限をあらかじめ想定する価格調整の目安にするため
市場反応を見ながらの柔軟な調整問い合わせ数や内見状況に応じて価格を見直す売れ残りを防ぎ、早期成約を目指す
交渉前提の価格設定あえて高めに設定し、指値対応の余地を設ける査定額以上の成約を狙う

以上の方法を組み合わせて、戦略的に価格を設定・調整することで、より高い金額での売却を目指すことができます。ただし、市場の動きや買主の反応を見ながら柔軟に対応する姿勢が欠かせません。

高く売るために高価格設定以外でできる工夫

売り出し価格を相場より高くする以外にも、売却成功率を高める工夫は複数あります。まず、内見率と印象を上げるための準備として、室内を徹底的に整理整頓し、生活感を抑えて清潔で広々とした雰囲気を演出することが重要です。特に玄関や水まわりはモデルルームのような印象づけに効果があり、ホームクリーニングを依頼することで印象が格段に向上します 。

次に、写真や広告の見せ方にも工夫を凝らしましょう。プロによる明るく整理された写真撮影、魅力的なキャッチコピー、ポータルサイトの活用は購入希望者の興味を引き、内見への動線を強化します。たとえば、自然光を活かした撮影や対角線アングルの活用、整理整頓された空間の見せ方などは非常に効果的です 。

また、リフォームや修繕は費用対効果を見極めたうえで実施することが望ましいです。特に水回りやクロス張替えは、実施後に投資額以上の価格アップが見込めることもあります 。さらに、費用を抑えつつ内見印象を強化する方法として、ホームステージング(プロによるインテリア演出)も有効です 。

最後に、売り出しの時期を工夫することも戦略の一つです。不動産市場では、年度始まりの1~3月、新居への関心が高まる9~10月が特に買い手のニーズが高い時期とされており、このタイミングに合わせて売り出すことで注目度や成立率が高まります 。

以下の表に、主な工夫とその効果をまとめました。

工夫内容期待できる効果
室内整理・清掃不要物を処分し、生活感を抑え、清潔に保つ第一印象が良くなり、内見率が向上
写真・広告の工夫明るく整理された写真や魅力的な広告文を作成オンライン上での注目を集め、内見予約が増加
リフォーム・ステージング水回りやクロスの修繕、プロ演出によるインテリア演出価格アップと成約率の向上
売り出し時期の調整1~3月や9~10月に合わせて売り出す買い手の関心期に合わせて商談機会を最大化

まとめ

不動産の査定価格と市場価格は異なる役割を持ちますが、売り出し価格は自由に設定できるため、市場価格より高く売り出すことも可能です。しかし、あまりに高値を付けてしまうと問い合わせが減少したり、売却期間が長引く恐れもあります。高く売るには、適切な宣伝や物件の魅力を高める工夫、そして市場の動きを見ながら柔軟に価格調整を行う判断が重要です。計画的に準備を進めることで、ご希望の価格に近づけるチャンスが広がります。

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