法人の不動産売却について!税金計算や節税方法も解説

法人が所有する不動産の売却を検討する際、個人で売却する場合とは異なる複雑な税金の仕組みについて、どう対応すべきかお困りではありませんか。
課税区分や税率の違いを正確に把握したうえで適切な対策を講じないと、想定以上の重い税負担を強いられたり、本来得られるはずの利益を逃したりするリスクがあります。
本記事では、法人と個人における不動産売却時の税制の違いをはじめ、具体的な税額の計算方法や、特例を活用した法人ならではの節税対策について解説します。
所有する不動産の売却を検討しており、手元に残る利益を最大化するための知識を身につけたい法人の方は、ぜひご参考になさってくださいね。
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法人と個人の不動産売却の税金の違い

不動産を売却するにあたり、まずは個人とのルールの違いをおさえる必要があります。
まずは、法人と個人で異なる不動産売却の税金の仕組みについて、解説していきます。
譲渡所得の課税区分
個人が不動産を売って得た利益は、給与や事業の所得とは分けて扱う分離課税の対象です。
そのため、不動産の売却益だけを独立して計算し、所得税や住民税の負担を確認していきます。
一方で、法人は、不動産売却による利益も通常の売上や営業外収益と合わせて、会社全体の益金に含めて整理します。
つまり、不動産だけを切り離して見るのではなく、本業を含めた全体の利益の中で税額を考えることが必要です。
そのため、法人税だけでなく、地方法人税や法人事業税まで含めて見ておくことが大切です。
税率と課税の時期
個人の場合は、売却した年の1月1日時点での所有期間によって、適用される税率が変わります。
5年以下なら短期譲渡、5年超なら長期譲渡となるため、売る時期の違いが手取りに影響しやすい仕組みです。
一方で、法人には個人のように保有期間だけで税率が切り替わる考え方はありません。
会社全体の所得をもとに法人税率などが決まり、決算期ごとに申告と納税を進める流れになります。
計上の基準時期も確認が必要なため、契約日や引渡日を含めて早めに整理しておくと良いでしょう。
法人と個人のメリット
法人の強みは、不動産の売却損が出た場合でも、本業の利益と合わせて調整しやすいところにあります。
さらに、青色申告の法人であれば欠損金を繰り越せるため、翌期以降の税負担も見通しやすくなります。
売却益が出る年度に修繕や設備更新を重ねれば、資金配分を事業計画に沿って整えやすい点も魅力です。
一方で、個人は、長期譲渡に当てはまる不動産なら税率を抑えやすく、長く保有した物件の売却でメリットが出やすいです。
どちらが合うかは、単なる売却か事業戦略を含めた判断かによって変わるため、目的の整理が欠かせません。
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法人の不動産売却にかかる税額の計算

前章では、法人と個人の税制の違いについて解説しましたが、実際にいくら納めるのか計算方法が気になりますよね。
ここでは、法人の不動産売却における、税額を算出するための計算手順について解説します。
各種費用の洗い出し
税額を計算する際は、まず取得費と譲渡費用、そして減価償却累計額を正確に整理することが出発点になります。
取得費には購入代金や仲介手数料などが含まれ、譲渡費用には売却時の仲介手数料や印紙代などが入ります。
建物は毎年の減価償却によって帳簿価額が下がるため、取得時の金額をそのまま使わない点に注意が必要です。
売買契約書や精算書、領収書などを早めにそろえておくと、後から数字の根拠を確認しやすくなります。
書類が不足していると概算での対応になることもあるため、まずは手元資料の確認から進めておきましょう。
実例を用いた計算例
たとえば、売却価格が8,000万円、取得費が6,000万円、減価償却累計額が1,200万円、譲渡費用が200万円とします。
この場合、取得費6,000万円から減価償却累計額1,200万円を引くため、現在の取得費は4,800万円です。
次に、売却価格8,000万円から現在の取得費4,800万円と譲渡費用200万円を差し引くと、売却益は3,000万円になります。
この利益を、会社全体の所得に合算し、実効税率30%で見込めば、法人税等の目安は900万円です。
なお、建物部分には消費税が関わる一方で、土地部分にはかからないため、契約時の内訳整理も重要になります。
決算処理時の注意点
法人では、不動産の売却益だけを見て税額を決めるのではなく、本業の損益も含めて全体で判断します。
たとえば、本業で赤字が出ている年度なら、売却益と相殺できるため、課税所得を抑えられる可能性があります。
また、過去の繰越欠損金が残っていれば、その活用余地もあるため、申告書別表や残高の確認が欠かせません。
前期の税額によっては中間納付が必要になるため、納税の時期と資金繰りをあわせて見ておくことも大切です。
とくに、決算期の近くで売却する場合は、会計処理と納税準備を並行して進める視点を持っておきましょう。
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法人の不動産売却に使える節税手法

ここまで、税金の仕組みや計算手順を解説しましたが、利益を手元に残すための有効な節税対策も、しっかりおさえておきましょう。
最後に、法人だからこそ活用できる、不動産売却の節税手法について解説していきます。
組織再編による節税
法人では、売却益をどの事業年度に計上するかを見直しやすく、決算期との調整を考えやすい特徴があります。
利益が大きく出る年度であっても、投資や修繕の予定とあわせて時期を整えることで、負担の偏りを抑えやすくなります。
また、複数事業を持つ会社では、分社化によって所得を分け、中小法人向けの税率を活かせる場面もあるのです。
ただし、形だけ整えても認められるわけではなく、事業目的や運営実態が伴っていることが前提になります。
税務と法務の両面を確認しながら進めると、後のトラブルも避けやすくなるでしょう。
買替特例と圧縮記帳
事業用資産を売却したあとに、一定の要件を満たす別の資産へ買い替える場合は、買換特例の活用を検討できます。
その際に使われる圧縮記帳は、新たに取得した資産の帳簿価額を減額し、当期の課税所得を抑えるための処理です。
たとえば、譲渡益の一部を圧縮できれば、その年度の税負担をやわらげながら、資金繰りを整えやすくなります。
ただし、税金そのものが消えるわけではなく、課税の時期を後ろへ動かす考え方である点は理解しておく必要があります。
将来の減価償却費との関係もあるため、短期的な節税だけでなく中長期での確認が大切です。
再投資での税制優遇
売却で得た資金を事業の成長につながる設備投資へ回すなら、各種の税制優遇も視野に入ってきます。
たとえば、中小企業投資促進税制では、一定の機械装置やソフトウェアなどに対して特別償却や税額控除を選べる場合があります。
税額控除は、算出した法人税額から一定額を直接差し引く仕組みであるため、利益が出た年度ほど効果を感じやすいです。
また、省エネや脱炭素に関わる投資では、別の優遇制度が使えることもあり、事業内容との相性も確認したいところです。
売却後の資金を再投資へつなげれば、税負担の調整と事業基盤の強化を並行して進めやすくなるでしょう。
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まとめ
法人の不動産売却にかかる税金は、個人のような分離課税とは異なり、本業の利益と合算して会社全体の所得として総合的に計算する仕組みです。
具体的な税額は、売却価格から現在の取得費や譲渡費用を引いて売却益を算出し、本業の損益や過去の赤字などを含めて実効税率を掛けて計算します。
法人ならではの強みを活かし、決算期の見直しや買換特例での圧縮記帳、設備等への再投資による税制優遇などを組み合わせると効果的な節税対策となるでしょう。
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